以下は、本会および本会関係者による田辺元関連資料保存に対する取り組みをまとめました。(1)(2)は本会設立前、本会の前身「群馬大学求真会」の創設に関わった田辺元の弟子たちによるものです。
(1)大島康正(東京教育大学、現・筑波大学)による遺品の田辺文庫への移管(1967年11月)
田辺記念館にあった田辺の遺品を、田辺元の弟子、大島康正が群馬大学附属図書館(現・総合情報メディアセンター)にはたらきかけ、田辺文庫に移管しました。これを契機に、群馬大学附属図書館では1967年11月27日・28日に「田辺元文庫遺品展」が開催されました。その際、本会の前身「群馬大学求真会」の発足(1977年)の中心となる石沢要(群馬大学)らが解説を行いました。
(2)石沢要(群馬大学)らによる群馬大学田辺文庫蔵書目録の作成(1965・1968年)
田辺元の遺言に基づいてその蔵書は京都大学と群馬大学へ寄贈されました。これらと田辺の遺品とをあわせて両大学に「田辺文庫」として保管されています。群馬大学田辺文庫の蔵書目録は、洋書篇が1965年、和漢書篇が1968年につくられました。これは石沢要(群馬大学)らが中心となって作成しました。田辺文庫についての詳細は、本サイト内「田辺文庫」をご参照ください。
(3)和装マントの群馬大学への寄託(2003年3月10日)
田辺元の愛用していた和装マント(通称:とんび)が、本会の代表幹事(当時)川島烗三、理事(当時)薗田坦・藤田正勝・黒田正勝らのはたらきかけにより、群馬大学に寄託されました。この和装マントは、群馬大学が専用の展示ケースを用意し、田辺記念館内に設置することで展示されました。(参考:下掲『群馬大学学報』2003年3月、P.5)
その数年後、冬の気候や湿気などによる保存環境を考慮し、群馬大学関係者により、和装マントは田辺記念館から群馬大学へ移されたようです(2019年9月記念館管理人より川井博義が聴取)。現在は専用ケースのみが田辺記念館に安置されています。
(4)田辺記念館残存資料記録保全プロジェクト(2019年9月20日)
本会では、田辺賞設置委員会の支援を受けて、田辺記念館に残る残存資料(写真やレコード、小物、葉書など田辺元の遺品)の記録撮影をしました。それらは良好ではない保存状態のまま放置されているため、劣化・損傷のおそれがあります。そのため、写真撮影をし、記録として保存する本会のプロジェクトを、川井博義が実施担当者として行いました。
※本文中の登場人物の所属・組織等の名称については、当時のものを記し、敬称を略します。
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